【認定こども園 移行】私立幼稚園が認定こども園へ移行する際の6つの問題

私立幼稚園が認定こども園へ移行する際の6つの問題

皆様こんにちは! 船井総合研究所の金子と申します。
子ども・子育て支援新制度が施行されてから3年目に突入しました。
平成29年4月時点では5,081施設と公式発表がありました。
平成28年4月1日時点では、4,001施設でしたので、
1年で1,080施設が認定こども園に移行したということになります。

つまり、本コラムをご覧いただいている皆様の地域でも、
認定こども園の存在がますます大きくなっていることは間違いありません。
もし、いま認定こども園への移行を準備されている、もしくは検討されている方は、
本コラムを参考に綿密な準備を進めていただければ幸いです。

認定こども園移行は、しっかりと計画をして頂ければ
大きなトラブルなく認定こども園へ移行できる可能性が高まります。
ただ、十分に計画を練らずに移行準備を進めると、次からお伝えしていく
「私立幼稚園が認定こども園へ移行する際の6つの問題」が発生することになります。

1:移行したのに定員割れ・・実態に合った定員設定が重要
一つ目は、既に移行した園が陥りやすい問題です。
まず最初にお伝えすべきことは、自園に最適な認定こども園への移行を検討するためには、
シミュレーションが欠かせないということです。
上記の問題で言うと、認定こども園へ移行するにあたり、利用定員を設定する必要があります。
本来であれば、地域の人口動態や待機児童などの外部環境や、
預かり保育の利用状況などの内部環境を整理した上で、定員設定をするべきです。

ただ、「今までの幼稚園の定員が○名だからそのままの定員で申請した」という園も少なくありません。
例えば、預かり保育の利用園児が多い園の場合は、2号認定の利用定員を多く設定する必要がありますし、
預かり保育の利用がそこまで多くない園の場合は、
2号認定の設定が多すぎると定員割れ(=収入の減少)が起きてしまいます。
そしてこの定員設定によって、施設型給付額(以下、補助金額)は大きな影響を受けます。

つまり補助金の構造上、定員設定が多ければ多い程、園児一人当たりの補助金額の単価が低くなります。
そのため、実態に見合わない形で、定員を多く設定してしまうと、
収入面において園運営に大きな影響を与えることになります。

その事態を避けるためにも、内閣府が公表している「公定価格試算ソフト」を活用しながら、
10ヵ年ベースでの収支シミュレーションを組んで頂き、
地域の実態に見合った形で定員を設定して最適な収入を実現して頂ければと思います。

2:施設整備の結果、開園後の資金繰りが厳しい・・・
幼稚園からの認定こども園移行の場合保育園機能を付加する必要があります。
その場合には園舎の施設整備が必要なケースが想定されます。

この施設整備実施前に正確な資金計画を作成できるかどうかが、
認定こども園移行後の収支シミュレーションに大きな影響を与えます。
この資金計画を作成する際の重要なポイントは、
施設整備補助金・自己資金から逆算した借入必要額の算定なります。

特に、この中で重要なのが、施設整備補助金になります。
認定こども園移行において、活用できると想定される補助金は、
保育所等整備交付金・認定こども園施設整備費・幼稚園耐震化整備になります。
これらの施設整備補助金は、自治体によって活用できるかどうか、
活用できる場合の補助金額が大きく異なる場合が想定されます。
そのため既に移行した近隣の園からの情報を元に資金計画を作成するのではなく、
必ず事前協議の段階で、自治体に対してしっかりとどの補助金を活用できるのか等を含めて確認をして頂ければと思います。

そして確認して頂いた補助金額を元に、パートナー設計士と共に現在の園舎の規模、
新たに新設をする保育所機能を考慮した上での総工事費を算出し、
それを元に自己資金、借入額がいくら必要なのかを検討する必要があります。
そしてこの借入先の選定に際しては、返済期間、利率を借入候補先毎にしっかりと把握し、
運営後の収支シミュレーションに反映しながら検討して頂き、
資金面における安定化を目指して頂ければと思います。

3:在園児保護者の保育料が増えてしまった・・・
保育料(保護者負担額)の設定は、幼稚園が認定こども園に移行する際に、
最も悩みやすいポイントの一つです。
所得に応じた保護者負担額に変わる一方で就園奨励費はなくなり、
その他実費徴収や特定負担額など、これまでの仕組みとは大きく変化します。

それ故、適切な設定が出来ずに、保護者負担額が上がってしまい、
クレームが出てしまった園もあるようです。

上述の通り、保護者の世帯収入等に応じて保育料が変動するため、
保護者ごとに負担額は違います。

そのため、全ての保護者の保育料を把握して、それでも負担が増えないように、
実費徴収や特定負担額を設定しなければなりません。

そこで、以下に掲載している表のような形で、私学助成での保護者負担額(これまでの保育料)と新制度での負担額を比較し、
個人別に負担の増減を把握しておくことが不可欠です。
その上で、極力全保護者の負担額が増加しないように
実費徴収や特定負担額を設定していくことが移行をスムーズに進めるポイントとなります。
そしてこの実費徴収・特定負担額をしっかりと保護者の皆様へ説明をして、理解をして頂くことで、
より円滑な移行後の運営安定化の実現を目指して頂ければと思います。

4:必要職員数を満たせず、補助金額を減額されてしまった・・・ 

新制度での補助金は構造上、園児の人数に対して必要職員数が決定し、
その職員数に対する人件費、その他必要経費が補助金額として支給されるという構造になっています。

そのため、補助金額を支給されるための要件である必要職員数を満たせていないと、
補助金額が減額され、当初予定していた収入を実現出来ず、
認定こども園移行後の運営に大きな影響を与えてしまいます。

さらに、チーム保育加算・満三歳児対応加算・三歳児配置改善加算のように
手厚い保育・教育を実現することによって要件を満たす加算の獲得を想定した上で
収入シミュレーションを行っている場合、職員不足は収入により大きな影響を与えることになります。

そのため、採用計画を行う前には必ず、想定している収入を実現するために移行後の必要職員数は、
基本補助金額の必要職員数と獲得想定をしている加算の必要職員数の合計値で算出する必要があります。

下記の様に算出した必要職員数を元に採用計画を作成し、
長期的な視点で採用活動を行って頂き、確実に想定した収入を実現して頂ければと思います。

5:定員が充足しない・・・認定区分に合わせた募集戦略を!
定員を充足させられるかどうかが、収支シミュレーション実現においては非常に重要な要素になります。
そのために、1号認定、2号認定に合わせた募集戦略が鍵となります。

―1号認定募集戦略について-

1号認定定員を満たす上での大きな問題となるのが、1号認定・2号認定の併願になります。
1号認定入園は2号認定入園より入園確定の時期が早いケースが想定されます。
そのため、2号認定枠での入園を希望している保護者の方は、
入園確定時期が早い1号認定を併願で提出します。
その結果発生する問題が、1号認定枠入園のキャンセルになります。

その結果、1号認定枠が充足せず、想定していた収入が実現しない事態が想定されます。
この事態を避けるためには、1号認定枠希望者をどれだけ集められかどうかが鍵となります。

そのためにも、早期から1号認定園児募集に着手し、
選ばれる園になるための計画と行動をすることが重要になります。

-2号認定募集戦略-

認定こども園移行初年度に関しては、在園児保護様へ2号認定利用のメリットをお伝えし
2号認定枠の定員充足を目指せるかが鍵となります。
この2号定員充足を阻害する問題が、2号認定枠利用の辞退です。

この事態をさけるために、移行前、移行後の保護者負担額の比較を参考に
2号認定移行候補をしっかりと園側で把握する必要があります。

ここでしっかりと候補者を洗い出し、その上で優先度の高い方から声掛けを行い、
仮に2号認定枠利用を辞退した場合でも、早急に次の候補者へ声掛けを行える体制を構築しておけるかが、
この問題を対処する上で重要な考え方になります。

6:移行後、業務負担が増大し残業代が増加、そして離職者も・・・
幼稚園が認定こども園に移行することによって、保育機能が付加されることになります。
そのため、既存職員の皆様には今までと異なった働き方・業務が求められます。
この結果起こる問題が、業務負担の増大です。
業務負担は、園の収支面にも特に影響を及ぼす可能性があります。
具体的には、業務負担が増大することによって、残業時間の増加を引き起こします。
その結果、残業代が増加し支出面に影響を及ぼします。
そしてこの残業時間の増加は長期的には職員離職に伴う採用コストの増加へと繋がることになります。
つまり、業務負担の増大は、園運営の根幹に関わる大きな問題を引き起こす可能性があります。

これらの事態を避けるためにも、認定こども園移行準備段階ではまず、
職員の皆様に対して、移行後の働き方のマインドセット研修の実施を行い、
移行後の働き方のギャップ、移行後の働き方を考える場を設ける必要があります。

移行後においては、随時職員の皆様に対して現在の働き方に対するヒアリングを行い、
園全体の働き方の可視化、働き方改革を行う必要があります。

このように、移行前・移行後それぞれの場面において認定こども園に対する働き方を考え、
そして改善する機会を園側で設け運営後の収支・運営体制の面において安定化を目指していくことが必要になります。

以上が認定こども園移行に際して発生する6つの問題とその対処方法になります。
しかし、残念ながら本コラムのでは書ききれない詳細な問題内容、対処方法が数多くございます。

その続きの内容を3月11日(日)、12日(月)開催 
「私立幼稚園向け 認定こども園移行ノウハウ公開セミナー」にてお話をさせて頂きます。

ご興味のある方は是非、以下のURLよりお申込み頂ければと思います。

それでは引き続き船井総合研究所をよろしくお願い致します。

申し込みURL:http://www.funaisoken.co.jp/seminar/028467.html

私立幼稚園向け認定こども園移行ノウハウ公開セミナー

私立幼稚園の経営者様、必見!
園児数200人の幼稚園が認定こども園に移行して園児数250人超になった秘訣を大公開!
【私立幼稚園向け 認定こども園移行ノウハウ公開セミナー】

↓↓ 詳しくはコチラ

http://www.funaisoken.co.jp/seminar/028467.html

お問い合わせはこちらから